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ホームエンジン基礎編



エンジンが始動するまでの流れ


普段クルマに乗るとき、何も意識せずにエンジンを始動して発進するのが当たり前になった時代ですよね。

誰でも普通にキーを回す(ボタンを押す)だけでエンジンを始動する事ができる凄い時代になりました。
っていつの時代の話しだよ!?って思われるかもしれませんが、こんなスーパーカーであっても
誰でも簡単にエンジンを始動できるって何か嬉しくなりませんか???


スーパーカーも簡単にエンジン始動!スーパーカーも簡単にエンジン始動!


エンジン始動ができるのは当たり前なのですが、実はこの間に様々な部品が作動して

「エンジン始動〜発進する」

という当たり前を提供するために頑張って仕事をしているのです。

確かに当たり前かもしれませんが、普段無意識のうちに行っている運転操作も少し視点を変えて
見てみると、実はとても楽しいものです。

私くらいマニアックになりますと、運転しながら妄想しまくりです(笑)

例えばブレーキを踏んだ時は


「今日もマスターパワーがしっかり作動してパッドが力強くディスクを挟んでくれてるなぁ♪」


とか、交差点でハンドルを左に切った時は


「パワステの油圧がちゃんとフォローしてくれてるからハンドルが軽い!いつもご苦労さんやねぇ。
右のタイロッド君は荷重が掛かるからちょっとしんどいけど我慢してよ〜。
ちゃんとダンパー(サスペンション)も沈んでいい動きしてますやんかぁ♪
ちょっと路面温度が低いから大変かもしれへんけどタイヤ君頑張ってや!」


みたいな事を心の中で車へ話しかけています(苦笑)


そうです、愛です。そうです、愛です。



えっ?


気持ち悪い!?


大丈夫です、ちゃんと自覚してますから(爆)

でもこんな感じでいつも車と心の会話をしてますので、一人で運転をしていても飽きないです。
実はこれの一番のメリットは

「不具合をすぐに発見できる!」

という思わぬ収穫があります。

常に一つ一つの部品の作動を意識しながら運転していますので、イメージで追っている途中で

「ん???」

という違和感を感じることができるのです。

せっかくですので、実際に違和感を感じて大事に至らなかったお話しをしましょう。


数年前の話しになりますが、駐車中に後輪がパンクしている事に気が付かずに
車を発進させてしまった事があります。


忘れもしない、この車です(笑)忘れもしない、この車です(笑)


いや、いつもタイヤの空気圧を意識してますので四輪とも目視確認してから乗り込む癖があるのですが、
この時は何も確認していませんでした…。

非常に寒かった事もあって、タイヤのグリップには気を付けようと思って発進。
しかし10mほどした所でいつもとタイヤから伝わってくる車の振動に違和感を感じました。


「なんか一定のリズムで左の後ろがゴツゴツしてる…」


とりあえずすぐに車を止め、運転席でいつもの妄想を瞬時にはじめました。

寒いからタイヤが固い=振動が大きいってのはあるかもしれへんけど、振動が一定って事は
タイヤがパンクしてバルブ(空気注入口)が路面と当たってるリズムか!?」

車から降りて各タイヤを見渡してみると、案の定パンクしていました。

ハンドルとつながっている前輪だとすぐに分かるのですが、後輪って意外と分かりにくいものなんです。
特に気が付きにくい理由として「正常だろう」という思い込みがありますからね。

前置きが長くなってしまいましたが、要は

「各部をイメージできると故障に気が付きやすい」

という事です。


ではようやく本題に移っていきます(汗)

全ての基礎知識が身に付いていない方も多数いらっしゃると思いますので、登場する各部品について
詳しくご説明しているページへのリンク(新しいウインドウで開きます)を随所に貼っておきますのでご活用ください♪
少しリンクがしつこく感じるかもしれませんが、全てのリンク先を理解していると話しがスーっとつながるはずです。
ただしいつもの事ですが、混乱を避けるために「かなり割愛した流れ」をご紹介しますので、

「いやいや、●●も動いてるでしょ!?」

といった突っ込みは、心の中で留めておいてくださいね(笑)


まずエンジンを始動するためには車のキーを回す必要※1がありますが、今の車には「イモビライザ(盗難防止装置)」が
ほとんど付いていますので、イモビライザシステム※2も流れの一つに入れます。
※1 キー不要のシステムは無視して説明します。
※2 一般的なイモビライザシステムをお話しします。

始動するまでにキーは「ACC⇒ON⇒IGN(ST)」という3つのポジションをガガガッと通過すると思いますが、
イモビライザは「ON」位置に到達した時点で瞬時に認証開始です。

キーに埋め込まれている「ICチップ」と「ECU(車のコンピューター)」などが相互通信をし、
この車のキーで間違いありませんという認証が完了した時点で「エンジン始動OK!」という体制が整います。(一瞬です)

もう一つ、キーがON位置になった時にエンジン始動に欠かせないある部品が起動開始します。

それはフューエルポンプ(※メルマガバックナンバー)です。


フューエルポンプフューエルポンプ


フューエルポンプが駆動される事で、エンジンがいつ始動しても大丈夫なように十分な燃料流量と燃圧を確保します。

余談になりますが、一般的な車の使用方法を考えると、キーを回してからスタータモータを回すまでには1秒も掛かりませんね。
つまりフューエルポンプが駆動を開始したと同時にエンジンは強制的に回されていますので、瞬時に高圧な燃料噴射がエンジン
始動には必要となります。
となると、フューエルポンプの頑張りを待っていたのではスムーズなエンジン始動を実現する事は難しくなります。
これらを踏まえ、燃料パイプ内はエンジン停止後も高圧状態を保つ構造になっており、瞬時のエンジン始動でも遅れることなく
高圧燃料噴射が行える体制が取られています。



もちろんONになった時点で各センサー類に電気が流れていますので、エンジンが回転していない状態でも
現在のデータをECUへ送信してくれています。

そしてON位置での各部品の仕事が完了し、キーがIGN位置になるとスタータバッテリから
大量の電気が送られます。
その電気を使い、スタータギヤが飛び出してエンジンのギヤ(フライホイール)に噛み込んで
スタータモータは回転を始めます。

スタータモータによって強制的にエンジン(クランクシャフト)が回された時点で、オルタネータ
が瞬時に発電を開始します。

エンジンが回転を始めると、現時点でのピストンの位置情報等がセンサーからECUに送られ、ECUは
ピストンの位置情報等を元に燃料噴射装置イグニションコイル(※メルマガバックナンバー)に駆動信号を送ります。

その信号を元に、適切なタイミングで燃料を噴射&スパークプラグが点火を開始します。

エンジンは強制的ではありますが回転していますので、オイルポンプが駆動されてしっかりとオイルの循環を開始します。
またウォータポンプも冷却水の循環を開始します。


ウォータポンプウォータポンプ


そして一つのピストンが爆発に成功(初爆)し、続いて他のピストンの爆発も連続した時点でエンジン始動完了となるわけです。

もちろんエンジンが始動した時には、エンジンが回転を続ける為に必要な

電気(ECU、オルタネータ、スパークプラグ、各センサーなど)
燃料(燃料噴射装置、フューエルポンプなど)
オイル(オイルポンプなど)
(ウォータポンプなど)

といった機能部品は全て起動していますよね。

もちろん、今回のお話しで出てきた部品の一つでも起動できなければエンジン始動不良もしくはエンジン不調の原因となります。

スタータでエンジンを強制的に回せる時間は限られていますし、最近のユーザーはすぐにエンジンが始動する事
当たり前になっています。
さらにスタータの回転力では通常のエンジン回転速度よりもかなり低速状態となります。

これらの厳しい条件のなかで、ピストンが圧縮した混合気へベストタイミングで点火を行うというシビアコンディションが
エンジン始動という行為なのです。


普段は意識しない「キーを回す」という行為の中に、これだけの部品がほぼ同時に動き始めているって考えると面白いですよね?

しかし電子制御+燃料噴射装置が導入されていなかった一昔前は、エンジン始動というのはちょっとしたテクニックが
必要だったのです。(キャブレータ車)


キャブレータキャブレータ


無意識でエンジンを始動できるなんて運が良い時だけって位です(汗)

しかも厄介なのが、一台一台コツが違うという点です。

「車の持ち主しか始動できない」

って言われるくらい癖があったんですね。
もちろん私の愛車(バイク)には燃料噴射装置が付いていませんので、キャブレータ車です。
しかも馬鹿みたいにチューンしてありますから、きっとほとんどの人はエンジン始動すらできません。(乗るのも危ない)


危険な愛車危険な愛車


当ページで皆さんにお伝えしたかったのは

「無意識でエンジン始動できるというのはとても凄い事」
「エンジン始動は車のシステムの中でも非常に難しい行為である事」

という事です。

身振り手振りでお話しすればもっともっと伝わりやすいのですが、文章を主とした説明ですので
分かりにくいコンテンツになってしまいましたね(涙)
しかしその中でも、当ページで感じていただいた事がいつかどこかでお役に立てる日が来る事を願っています♪




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