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スパークプラグ(プラグ)とは?


※スパークプラグに関するさらに詳しい説明(整備士3級〜2級レベル)をご希望の方は別のサイトで私が執筆したページがございますのでそちらをご覧下さい。
アイティメディア(モノイスト)
すごいぞスパークプラグ、2000℃に加熱してから急冷して高圧を掛けても壊れない


『スパークプラグ』(通称プラグ

皆様、この名称を聞いた事がありますでしょうか???

有名な部品の中でも本当に小さな部品の一つです。
でもこの部品が無いと、大きな車が動く事が出来ないのです。


部品の大きさとしては、長さがおよそ5〜7センチで幅が1〜2センチです。
本当に小さいですね。


スパークプラグ 右側がプラグ(大きめ)です。


さて、このスパークプラグの役割をお話ししていきます☆


車はガソリンを燃やして走っている!


というのは有名ですが、ガソリンに直接火花を飛ばしているのがこのスパークプラグです。


エンジンには、ピストンという部品が数個あるという話しを以前しましたが、このピストン一つに対して
スパークプラグは一つ用意されています。
例外として、一つのピストンに二つのスパークプラグが用意されているエンジンもあります。


スパークプラグには非常に多くの種類があります。見た目は同じなのに、なぜかすごい種類があるのです。
一体どういう種類の分け方をしているのかを順番にお話ししていきますね♪


スパークプラグの種類


スパークプラグをエンジンに取り付ける際には、スパークプラグを直接エンジン本体にねじ込みます。
そのねじの長さ太さで大きく種類が分かれます。それだけでも約10種類ほど存在します。


スパークプラグの先端に火花が飛ぶ部分(電極)があるのですが、この先端をピストンに対して
どれくらい近づけるか?という項目もあります。


上記の2項目というのは、該当するエンジンに対応したプラグは一つしかありません。
なぜなら、ねじの太さが違う物はエンジンにねじ込む事ができませんよね。
また、必要以上にピストンにスパークプラグを近づけてしまうと、ピストンとプラグが接触してしまい、
ピストンに穴が空くというとんでもない事態になります。
穴が空いてしまうと交換するしか無いので要注意です。。。


しかし、次にお話しする項目はそのエンジンの使用状況に応じてユーザーが選択するという非常に重要な
項目になります。


スパークプラグは、ピストン同様に直接爆発した熱を受ける部品です。
つまり、ありえないくらい高温になります。(瞬間で2000度

スパークプラグは主に金属とアルミナ磁器(強度と断電性などを兼ね備えた物です)によってできていますが、
いくら金属といえども高温になると溶けてしまいます。

溶けてしまうと、ピストンに付着し、そのピストンも溶けてしまうという大惨事になります。


ただし実際には、プラグが溶ける現象の前にガソリンが火花無しで勝手に燃えてしまう症状がでます。
この症状を『プレイグニション』と言います。(難しいですね。。。)

これは通称『ノッキング』と呼ばれる症状の一つで、キンキン(カリカリ)とエンジンから音が出ます。
もちろんエンジンは不調になってしまいます。

つまり、エンジンが不調にならないように温度を下げる必要がありますね。

プラグの放熱具合によってプラグには何種類も用意されています。
その放熱具合を『熱価(ねっか)』といいます。(頑張って付いてきてくださいよ〜)

熱価は通常数字で表され、数字が高いほど放熱しやすい・温度が低いプラグであるといえます。


ここで、非常に重要な問題があります。
スパークプラグというのは、もちろん電気によって火花を飛ばしているのですが、
火花が飛ぶ為にはある条件があります。

それは、ガソリンやオイルによって湿ってない事(濡れていない事)です。

基本的に、一点に電力を集中させて火花を飛ばしますので、その一点が湿っている
と、うまく火花が飛ばなくなってしまいます。
水中ではライターを付ける事ができないのと同じ感覚です。


つまり、プラグが溶けない為には放熱させて温度を下げる必要があるのですが、
火花を飛ばす為には、ガソリンやオイルが付着しても瞬時に蒸発してしまうだけの
温度も必要であるという事です。


う〜ん。少し難しいですが、がんばってくださいよ〜!


つまり、何でもやりすぎ注意!という事です。
下げすぎも上げすぎも駄目!ズボンもそうですね(笑)
適切な温度に保ってやるのが大事なんです。

参考までに、プラグの適切な温度は500〜800度と言われています。


では、熱価の話に戻りましょう。


熱価に関しては、通常その車に適合したメーカー推奨熱価があります。

例えば、その熱価の番数を「7番」だとしましょう。

メーカー推奨の熱価は、あくまでも街中走行とたまに高速走行をする人を基準に設定しています。
つまり、常に高速走行する人や、街中でノロノロ運転しかしない人にはあまり適合しないのが現実です。

大いにエンジンを回して走る人は熱価を上げる(8番)必要がありますし、全然エンジンを回してない人
は逆に熱価を下げる(6番)必要があります。


プラグが適切な温度になっているのかを確認するのは非常に簡単です。
それは、プラグの先端の色(こげ具合)を直接見てみる事です。


BESTなのは、『きつね色』です。

『黒っぽい・湿っている』場合は熱価を下げる必要があります。⇒温度を上げる

『かなり白っぽい・ぼろぼろになっている』場合は熱価を上げる必要があります。⇒温度を下げる


現在の車は、電子制御による非常に細かな計算をしての走行ですので、プラグの心配をする必要は
ほとんど無くなって来ましたが、それでも計算外の運転状況というのはいくらでも発生します。
また、スパークプラグにちょっとした工夫を施して性能アップさせる方法に興味がある方は、
是非一度点検とコパスリを試してみてください。

メインはこちら⇒スパークプラグ点検例と交換方法(ダイレクトイグニション編)(新しいウインドウで開きます)

旧車用⇒スパークプラグ点検例(プラグキャップ編)(新しいウインドウで開きます)



次に、プラグの先端形状や金属の種類による分類があります。

・イリジウムプラグ

先端の火花が飛ぶ電極にイリジウム合金を使用しています。
耐久性が非常に高いイリジウム合金を使用することで、電極を極限まで細くする事が
できるので、電力一点集中による点火を行うプラグとしては、集中する面積が非常に
狭くなるので、同じ電力でも一点に大きな火花を集中して飛ばす事ができます。
イリジウム合金を使用することで高価になりますが、長持ちします。


・白金プラグ

先端の電極に白金合金を使用しています。
イリジウムまではいきませんが、電極を細くすることができるので大きな火花を飛ばす
事ができます。また、耐久性にも優れていますので、長持ちします。
白金を使用していますので、高価になります。


・レジスタープラグ

プラグ内にレジスター(抵抗)を内蔵した物です。
電極にはニッケル合金を使用したものが多く、一般的なプラグと言えます。
抵抗を入れることで、火花によって発生するノイズを抑え、スピーカーへの影響を無くしています。
柔らかいニッケル合金を使用しているので電極を細くすることができず、電力を集中
させる面積が広くなってしまいます。
そのため火花が弱くなり、安定した火花を飛ばす事が難しくなります。
しかし非常に安価です
耐久性には優れていませんので交換時期は早めに設定されています。


プラグには上記のような種類があり、さらに組み合わせたり電極の先をさらに工夫した
形状にしたりする事で種類はどんどん増えます。


通常プラグは10000〜30000Vという大電力が流れます。
もちろんその手前にあるコードにもその大きな電力が流れますので、普通の銅線では
すぐに焼損してしまいます。

そこで、特別に『ハイテンションコード』と呼ばれるコードが接続されています。
※最近の車では「ダイレクトイグニション」というシステムが主流で、ハイテンションコードがありません。


ハイテンションコード プラグキャップハイテンションコード


ハイテンションコード(プラグコード)とスパークプラグをつなぐ為に、『プラグキャップ』という部品もあります。

これらの部品は火花の大きさに非常に大きく関係する為、これらの部品をハイスペック(高価)
物に交換する事で火花が大きくなる事になります。

火花が大きくなる事で燃焼の手助けをする事になり、燃費・出力向上に寄与します。


しかし、何でもやりすぎは注意です。。。
火花を強力にしすぎてピストンに穴が空いてしまった事例を何度も目撃しています。

やりすぎ注意!ですよ。


ここからは非常に重要です。

プラグと言うのは消耗品です。
今までさんざんお話しした中に耐久性があるという表現があったように、電極というのは
どんどん減っていきます。


摩耗したスパークプラグ摩耗したスパークプラグ


先端の電極部が丸くなっているのが分かりますね。
新品はしっかりと角が立っていますので、摩耗しているのが一目瞭然です。

減るということは、火花を思うように飛ばす事が出来ないことになります。
つまり、正常な燃焼ができていない事になりますので、燃費が悪くなっています。

しかも、プラグの恐いところは、外してみないと分からないのです。

※マニアックになりますが、電極が消耗する事でプラグギャップ(電極とアース部の隙間)が物理的に
広くなりますので、いくら昇圧しているとは言っても火花が飛びにくくなるという事です。



さらに、今の車は正常な燃焼ができていなくても走行できてしまうのです。

「最近燃費が悪くなったけどなんでだろう。。。」

と思っている方は、プラグを疑ってみてください。

私は半年に一度はプラグを点検しています。ちなみにメーカー指定点検時期は1年に一度です。
※白金プラグやイリジウムプラグは3年に一度ほどの点検で十分でしょう。


メインはこちら⇒スパークプラグ点検例と交換方法(ダイレクトイグニション編)(新しいウインドウで開きます)

旧車用⇒スパークプラグ点検例(プラグキャップ編)(新しいウインドウで開きます)

プラグと言うのは、非常に軽視されがちですが、交換すればすごく調子がよくなります。
普段燃費を測っている方なら数字で実感できますよ☆
車検の時に交換しなかった方は是非交換してみてください。


安価な部品で大きく燃費を向上させるには、まずはプラグ交換ですね!
間違いありません。

頻繁に交換する物ではないのですが、忘れていると大きく損をしますので、
プラグという部品の存在を覚えておいてください。


『ちょっと豆知識』

⇒プラグの熱価や素材・太さ等は、プラグ本体・箱に一定の規則に従って書いてあります。
 この文字列(番号)がプラグを選択するときに非常に重要になります。


スパークプラグ 型番 プラグの箱例(イリジウムMAX)

上記の例での文字列は≪ZFR6FIX−11P≫となります。



(文字列の例)
 PR5EAL11 (NGK社製)

B ⇒ ネジの太さを意味します。
P ⇒ プロジェクト量(電極の突き出し量)を意味します。
R ⇒ 抵抗が入っている事を意味します。
5 ⇒ 熱価を表します。
E ⇒ ネジの長さを意味します。
A ⇒ 電極の形状を意味します。Aは標準、YはV溝付き等です。
L ⇒ デンソー製と熱価を合わせる為に設けた中間を意味する物です。
     つまりこのプラグは熱価が5Lとなり、5.5であるという事です。
11 ⇒ 電極の隙間の大きさを意味します。11は1.1ミリという事です。
      ここに何も書いていない物は0,8ミリという事です。


 W16EXRU11 (DENSO社製)

W ⇒ ネジの太さを意味します。
16 ⇒ 熱価を意味します。
E ⇒ ネジの長さを意味します。
X ⇒ 後に出てくるUと重ねて考えます。電極の形状を意味します。
     この場合はXUとなり、プロジェクト量(突き出し量)が2,5ミリで、
     電極にU溝付きとなります。
R ⇒ 抵抗が入っている事を意味します。
U ⇒ 先程出てきたXと重ねて考えます。
11 ⇒ 電極の隙間の大きさを意味します。11は1.1ミリという事です。
      ここに何も書いていない物は0.8ミリという事です。


通常、プラグを交換するときは熱価(数字の部分)しか意識しません。
なぜなら、プラグの形状を変更するのは非常にリスクが高いからです。

つまり、文字列のなかで数字以外は全て同じになります。


通常のプラグからイリジウムへ変更する、またはその逆の場合は、機種に対応した
プラグの番号が量販店などにある冊子で確認できますので、必ず機種に適合した
プラグを選択してください
ね!

素材が変わると熱価が変わったり色々と考慮する点が増えますので、まずはメーカー推奨品
で入門してください。


それと。

ピストンが4つ(4気筒と言います)のエンジンなら、全て同じプラグにしてください。
たまに例外で、真ん中に位置するプラグだけ熱価が高い物を使用するものがありますが、
あくまでも例外です。(バイクに多いです)
それと、お金が無いから一つだけイリジウムなんて事はしないでくださいね(汗)


※スパークプラグに関するさらに詳しい説明(整備士3級〜2級レベル)をご希望の方は別のサイトで私が執筆したページがございますのでそちらをご覧下さい。
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スパークプラグの公式サイトリンクです。(新しいウインドウで開きます)

NGKプラグ

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