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ホームエンジン基礎編

ピストンリングとは?
ピストンは、このシリンダの中で上下運動(ピストン運動)を超高速で繰り返し行っています。
高回転域まで回るエンジンであれば、1分間で10000回転以上往復します。

さてここで考えて欲しい事があります。

現代の技術はすごく進化していますので、ピストンとシリンダの隙間をできるだけ少なくしていますが、これには限界があります。

極論を言えば、隙間がギリギリすぎると、ピストンがスムーズに動けなくなってしまうのです。
つまりスムーズに回転(ピストン運動)をするためには、ある程度の隙間が必要となってきます。
スムーズに回転するために隙間が必要なのですが、実はその隙間が大きな問題になります。
というのも、ピストンの頭ではガソリンが瞬時に爆発してガス状に変化するわけです。
※ピストンに関する詳しい説明(整備士3級〜2級レベル)をご希望の方は別のサイトで私が執筆したページがございますのでそちらをご覧下さい。・アイティメディア(モノイスト)本田宗一郎も苦戦したピストンリングの設計
ピストン ガス抜け
ピストン ガス抜け
その爆発力でピストンが一気に下に動き、車を動かす動力源として使用されているのですが、ピストンとシリンダに隙間があると燃焼ガスがその隙間から逃げてしまい、爆発力をピストンを押す力として効率よく利用する事ができませんよね。

この現象をガス抜けと言います。

つまり、シリンダとピストンの隙間を埋めるための何かが必要なのです。
隙間を埋めつつ、ピストンが動きやすいような工夫が必要となりますよね。
その重要な役割をしているものをピストンリングと言います。

ピストンリングには、コンプレションリングオイルリングとに分かれています。

基本的には、コンプレッションリングが2本とオイルリングが1本がピストンに組み付けられています。

形状は写真のようになっており、バネのように弾力があります。
その弾力は開く方向に働いているので、シリンダに密着する方向となります。
シリンダへ組み付ける際には、リングを縮めて組み付ける事になります。(参考までに)
※シリンダの写真はピストンのページにあります。
ピストンリング
ピストンリングです。
写真ではしっかりと3本のピストンリングが写っていますがお分かりになりますか???

上の2本はシンプルなピストンリングですので分かりやすいですが、一番下は波打っているようなとても不思議な形をしていますね。これがオイルリングです。
せっかくですので、オイルリング(3ピース形状)の実物をお見せしておきましょう。
オイルリング(3ピース)の形状
オイルリング(3ピース)の形状
オイルリングはその名の通り、エンジンオイルに大きく関係します。

少し脱線(一時的に難しいかも…)しますが、ピストン(+ピストンリング)とシリンダとが直接触れて金属が焼き付いてしまう(摩擦熱が融点を超えてしまう)事を防ぐため、シリンダ内壁にもエンジンオイルが油膜を作っています。
油膜は厚ければ良いという事はなく、薄すぎず厚すぎずが大切です。

高速でピストン運動しているシリンダ内部において、常に適切な油膜を形成するという重要な役割を担っているのがこのオイルリングです。波打っているような独特な形状をしているオイルリングですが、不完全燃焼が続いて発生した燃えカスがオイルリングの隙間に詰まってしまったりすると、オイルリング本来の役目を果たすことができず、エンジンオイル消費量が増大してしまったり適切な油膜を保つ事ができなくなって思わぬトラブルに至ります。
って、少し脱線しすぎましたので元に戻します…。
先述したように、ピストンリングは燃焼ガスがピストンの下側に抜けてしまわないようにシリンダへ強く密着していますが、この密着する力というのも工夫があります。

ピストンリングはシリンダに密着した状態で上下に動くわけですから、あまり強く密着しすぎるとシリンダ本体に傷が入ります。
さらに、ピストンはスムーズに動く事が理想的ですが、ピストンリングが密着しすぎていると動く時の抵抗となり、スムーズに動く事ができなくなります。
とは言っても、ある程度の力で密着していないとガス抜けを防ぐという本来の目的を果たす事ができません…。

ピストンリングはこれらの懸案項目をクリアするため、適度な密着力により燃焼ガスが下にもれるのを防いで爆発力をピストンを押す力に効率よく変換しているわけです。
ピストンとピストンリング
ピストンとピストンリング
上の図ではピストンリングが2本になっていますが、本当は3本です。
強調するために太くした結果、3本入れると少し変な絵になってしまったのであえての2本です…。

それはさておき、ピストンリングのおかげでガス抜けしていませんね!

本当に細かく言えば、ピストンリングだけではまだガス抜けが発生します。
どれだけ精度を高めても、防ごうとしている相手は気体(+高圧)ですから、ガス抜けを金属同士の面で防ぐのは不可能です。

そこで活躍するのがエンジンオイルの密封作用という事になるのです。

ただ、エンジンオイルの密封作用にも限度があります。
今の車にはとても粘度が低い薄い膜を作るエンジンオイルが主に使われていますが、エンジンオイルによる抵抗(ピストンリングが受ける油膜分の抵抗)だけを考えれば確かに良いです。
しかし膜が薄い事で密封作用が低くなってしまいますので、エンジンの出力という観点で見ればとても弱いと言えるでしょう。

そこで、私は常日頃からお勧めしているオイールの凄さが顕著に表れるのです。


エンジンは内部で爆発が起こっているわけですが、この爆発によってもちろん超高温になってしまいます。
高温になると、ガソリンが勝手に燃えてしまったり金属が溶けてしまうなどの大問題が発生します。
これらを防ぐ為に、車にはエンジンの温度を一定に保つ役割を担っている部品があります。

それをラジエータと言います。
自動車整備士3級〜2級レベルのエンジン基礎編として、アイティメディア社が運営しているモノイストというサイトに『今さら聞けないエンジン構造』という内容で記事連載をしております。
当サイトよりも更に高いレベルをお望みの方はこちらもご覧ください。

・第一回 ピストンが傷だらけなのにも、理由がある
・第二回 本田宗一郎も苦戦したピストンリングの設計
・第三回 縦置き直6サイコー!? シリンダ(気筒)の基本
・第四回 NSXはチタン製コンロッド採用でエンジン性能UP
・第五回 クランクシャフトはオイルクリアランスに要注意
・第六回 BMWの燃費向上の秘密は、バルブトロニック
・第七回 カムシャフトを2本にするか、1本にするか
・第八回 タイミングベルト、まだ使っているの?
・第九回 「バルブタイミング=0°」とはどういう状態か?
・第十回 GMや日産が苦心したVTCの原理とは
・最終回 ガソリンエンジンがなくなる日は、きっと来る

・2010年 学生フォーミュラ優勝チーム(大阪大学)のレポート記事
 ⇒阪大、初の日本一! ほんまに車が好っきやねん

・2012年 学生フォーミュラ優勝チーム(京都工芸繊維大学)のレポート記事
 トラブルがなければ絶対上位に行ける!
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参考書籍


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