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エンジンオイルの種類


先ほどのページでまずはエンジンオイルの基本的な役割をお話ししましたね。

検索等でこのページへいらっしゃった方は、エンジンオイルに関する基本的な説明を
エンジンオイルの基本的な役割にて説明していますので、まずはそちらからご確認
いただければ分かりやすいと思います。

このページでは次の段階であるエンジンオイルの種類についてお話ししていきます。


お店に行くと、エンジンオイルだけで様々なメーカー&種類が目に付きます。
私のような専門家が見ても迷ってしまうほどですから、素人の方が見てもサッパリなのでは
無いかと本当に思います(汗)


「分からないけど、取りあえず値段が高いほうがエンジンに良いんだよね」


といった安易な考えを元にエンジンオイルを選んでしまう方が大半だとは思いますが、
エンジンオイルは車の用途によって選び方も大きく変わってきます。
つまり用途に合わないエンジンオイルを選んでしまうと、過保護による燃費悪化といった
全く逆効果になってしまう事もよくあります。

余談になりますが、私が今乗っている車はサーキットでも十分に走行できるほどのエンジン
を搭載したスポーツカーです。(平成19年式シビックタイプR)
もちろんエンジン回転もレッドゾーンまでしっかり回して走行する機会も多いです。
それだけを踏まえれば相応に値段が高いエンジンオイルを入れないといけないように思いますが、
私は4L1000円ほどで購入できる安いエンジンオイルを入れています。
もちろんそのまま入れているだけではありませんが、後半でその種を明かしますのでお楽しみに(笑)


これらのメーカー&種類の違いによる特徴の違いは、エンジンオイルの基本的な役割の違いが主です。

実は混乱を避ける為にエンジンオイルの基本的な役割ではお話ししていない条件があります。

それは、オイルの温度変化です。


温度変化とは、温度によってオイルの粘度が変わるという事です。
エンジンオイルは温度が上がればシャバシャバに、温度が下がれば硬くなります。

エンジンオイルがシャバシャバになると…。

粘度が無いということは、油膜が薄く広がりやすい事になります。
ある一点に付着できるオイルの量が少なくなるのです。

さらに油膜が一定以上薄くなるとオイル同士が手をつながなくなって油膜が切れてしまいます。
という事は酸素を遮断する事ができなくなりますので金属部品への錆などが懸念されますね。。
さらに油膜が切れた場所はオイルが無いので潤滑ができません。
これは言うまでもなく摩擦によって大ダメージを受けてしまいます。

エンジンで発生した熱を吸収するオイルの量も減ってしまいますのでエンジン温度が上昇し、
油膜によるクッションの役目もできません。

などなど、シャバシャバになるとかなりエンジンに良くないんですね。
ただ一つだけメリットがあるとすれば、油膜さえ切れなければエンジン内の抵抗が極限に低く
なりますのでレスポンスの向上などが考えられます。もちろんかなりのプラス思考ですが…。


シャバシャバになるには相当な高温になる必要がありますが、そのシャバシャバ
になりにくい指標を『高温・高負荷時(こうふかじ)性能』という基準を設けて表しています。



続いて温度が低すぎてオイルが硬くなると…。

エンジンを始動できなくなる可能性があるのです。

電気装置基礎編で説明しているスタータ(セル)の力には限度があります。
さらに、そのような低温状態ではバッテリの力も弱っています。

そんな状況で、エンジンオイルが硬くてエンジンを回す力がいつもより必要だったら致命傷ですよね。

そのため、この『低温始動性』のレベルを表した基準もあるのです。


先述した二つのレベル、『高温・高負荷時性能』『低温始動性』を合わせて考えてエンジンオイルは選びます。



この『高温・高負荷時性能』『低温始動性』を合体させた基準を『マルチグレード』と言います。

今、量販店で売られているオイルはマルチグレードしか普通は見かけない※と思います。

※最近ではハイブリッドカー専用オイルとして超低粘度オイルがありますが、これはSAEなどの基準に照らし合わせていない場合があります。


ではマルチグレードの例を一つ。

≪SAE 10W−30≫

「ジュウダブルサンジュウ」とか「テンダブルサンジュウ」と読みます。(人それぞれかな)

低温始動性は10W

高温・高負荷時性能は30

という事です。

頭に付いている「SAE」とは、この基準を作った協会の略語で、特に意識する必要はありません。


低温始動性を意味する部分には『W』が付いています。
この低温始動性の数字が小さいほど、低温始動性に優れていると言えます。

10W30よりも5W30のオイル方が低温時の粘度が低い(柔らかい)と言う事です。
(寒くなってもあまり硬くならないとも表現できますね)

主に低温始動性を意識する必要があるのは寒冷地にお住まいの方です。
そうでなくても低温始動性が良いエンジンオイルの方がエンジンにとっても抵抗が少なくて
良いのですが、リアルに値段に直結してきますのでお財布とご相談という事で。


高温・高負荷時性能には『W』は付かず、単純に数字だけです。

この数字が大きいほど、高温・高負荷時の性能が高い、すなわちシャバシャバになりにくいのです。
なりにくいというよりは、元々粘度が高いのでシャバシャバになった状態であっても、
通常のオイルの粘度くらいまでしかシャバシャバにならないと表現した方がわかりやすいですかね。

10W30よりも10W40のオイルの方が粘度が高い(硬い)という事です。

さてここまではオイルの規格として『SAE粘度規格』をお話ししましたが、それに加えて
もう一つオイルの規格があります。

その規格を『APIサービス分類』と言います。

購入する時に特に意識する人はなかなかいませんが、一応お話ししておきますね。


SAEは粘度だけを指定した規格ですが、APIは性能や用途を規定した物です。
今売られているオイルで、目にする可能性がある物だけを例に挙げますね。



・SJ級

1996年以降のガソリンエンジン車用で、酸化安定剤・腐食防止性・防錆性・
省燃費性・低温流動性および排ガス対策性が以前のSH級より優れている。

・SL級

2001年以降のガソリンエンジン車用で、オイルがエンジン内部で使用される
過程で蒸発して無くなってしまう現象を厳しくチェック。
触媒を保護する為のオイルの低リン化はSJ級と同等。
オイルが揮発する省燃費性能はSJ級より高く要求されている。

・SM級

SL規格よりも省燃費性能の向上、有害な排気ガスの低減、エンジンオイルの耐久性を向上させた
環境対応オイル。これまで試験が行われなかった劣化油の低温粘度を図る試験が追加され、
低温流動性、酸化劣化に優れたベースオイルを使用する必要がある。

・SN級

これまでで一番厳しい規格だったSM規格よりも、省燃費性能、オイル耐久性、触媒システム保護性能
の改善が求められる。省燃費性能はSM規格と比較して0.5%以上の改善。オイル耐久性はデポジット
の発生をSMと比較して14%以上改善。触媒システム保護性能の改善は触媒に悪影響を与えるリンの
蒸発を20%までに抑制する事が求められる。


となっています。

今の主流はSMとかSNという文字が、オイルの缶に記載されています。

もし『SL』と記載されていれば、だいぶ古いオイルですので要注意です。
今買うなら『SN』もしくは『SM』が良いと思います。

とは言っても、20年以上前の車などにお乗りの方は少し注意が必要です。

エンジンオイルには添加剤が入っているとお話ししましたが、この添加剤に耐えれない
部品が混入している場合があるのです。

特にゴム類ですね。

20年前の車に最新のエンジンオイルを入れるのは多少リスクが伴う可能性があります。
この様な場合は、該当メーカーに電話で聞くかディーラーに聞くべきですね。
自身の判断で誤ったオイルを入れてしまった時は、誰も保障してくれません…。
面倒でも、一度確認を取ったほうが良いと思います。
何も知らない方は、

「そんなのありえない!大丈夫に決まってるでしょ!」

と言うかもしれませんが、大いにありえますので自信を持って聞きましょう♪
自分の車を守る為です。大切にしてあげましょうね☆

10年以内の車に乗っている場合は、この規格を意識して購入する事はほとんどありませんが、
非常に大事な規格の一つですのであえて記載しておきます。


最後に、エンジンオイルの種類として忘れてはならない分類があります。
それは「エンジンオイルの製法による違い」です。

製法の違いは大きく分けて3種類あり、

・鉱物油
・部分合成油
・化学合成油


となります。※2ストロークエンジンなどに使用される植物油はここでは割愛いたします。

ではまず一つずつの特徴を簡単にご説明いたします。

【鉱物油】

石油の精製過程で抽出できるオイルで、簡単に言えば自然に取り出したオイル分そのものです。
人為的な加工などを行っていませんので、比較的安価なエンジンオイルとして流通しています。
【部分合成油】

後述する化学合成油を20%以上混合し、100%化学合成油に性能を近づけたオイルです。
簡単に言えば、鉱物油と化学合成油の中間レベルのエンジンオイルとして取り扱われています。
【化学合成油】

石油から取り出された成分を一度人為的に化学分解&合成し、意図的に成分や分子を一定に整えた
オイルです。
それ相応のコストが掛かりますので値段としては高価になりますが、性能面では鉱物油に比べて
優れています。エンジンオイルとしての性能も意図的にコントロールする事が可能となります。



さて3種類の特徴を簡単に述べましたが、一般的に製法による違いで悩むのは

「鉱物油にするか化学合成油にするか…」

という選択が多いと思います。
特別に部分合成油にこだわりを持っている人はそれほどいないはずですので。

個人的な見解としては、エンジン回転数がレッドゾーン(限界域)まで頻繁に上昇させるサーキットや峠などでの
スポーツ走行で車を使用する方であれば化学合成油は非常に有効だと思います。
そうでない方であれば、鉱物油で十分であると私は考えています。

双方の値段の差をみると軽く倍はありますので、自己満足の為に化学合成油を使用するくらいならば
鉱物油を使用して交換頻度を増やす方がエンジンには良いと考えます。

例えば化学合成油を使用していた時は5000kmに一回の交換頻度だとすれば、鉱物油を使用して
3000kmに一回の交換頻度にした方が良いという事です。

「鉱物油はちょっとねぇ…」

と言った考えの方もいらっしゃるとは思いますが、安い鉱物油であってもオイールを混ぜれば化学合成油に
負けるとも劣らない性能になりますからね(笑)

そう、私がスポーツカーに10W30でも十分だと言っていた理由はこのオイールです。



さてさて、当サイトの目玉とも言える節約法の部分へと移りましょう。。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、愛車精神旺盛な人にはなかなか気付きにくい部分でもあります。

今までお話ししてきたことを踏まえると、こういった結論が導かれるのです。


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