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ホームエンジン基礎編



圧縮比とは?


圧縮比って聞いた事がありますか???


以前お話しした「ハイオクとレギュラーの違い」の中で、少しだけお話しした事があるのですが
覚えていらっしゃいますでしょうか???

この圧縮比はクルマのカタログにもしっかりと記載されているものです。

単純に言えば、

「ピストンが吸い込んだ混合気をどれくらい圧縮させるか?」

という事です。

圧縮すればするほど、1回の爆発で爆発する混合気の量が増えることになります。
つまり「馬力」が出るんですね。
とは言っても、圧縮するとエンジンへの負担がかかります。

なんでもそうですが「やりすぎ」は駄目です。
そのエンジン、クルマに適した圧縮比(パワー)を選択する必要があるんですね。

それではまず、圧縮比の算出方法をお話ししていきます。


ピストンが吸い込む混合気量(排気量)というのは、

ピストンが上下運動する幅とシリンダの面積をかけた数字、算数で言えば「円柱」の容積
を計算する方法で求める事ができます。
※このページでの排気量とはピストン1個分の事です。

参考までに、ピストンとシリンダの実物をご覧ください。


ピストン
ピストンです。


シリンダーシリンダーです。


円柱の容積=円面積×高さ


ですよね?
(懐かしいでしょ)
それではこちらのイラストをご覧ください。


排気量
イラスト1:排気量=円柱の容積です。


紫色の部分が排気量(円柱の容積)です。
ピストンの下死点
(一番下の位置)から上死点(一番上の位置)までの容積となります。


※ちょっと豆知識

・シリンダ(=ピストン)の直径 = ボア
・ピストンが上下運動する幅 = ストローク量

と言います。




圧縮比を考える時、上のイラストの容積に加えて混合気を押し込める場所(
燃焼室と言います)
の容積も加えます。

燃焼室とは、ピストンが一番上に来た時(上死点)の上部にある空間の事です。
こちらのイラストをご覧ください。


燃焼室
イラスト2:紫色の部分が燃焼室です。


上のイラストの紫色の部分が燃焼室と呼ばれる部分です。

ピストンが上死点にあるとき、上部にある空間を燃焼室と言います。

参考までに、実際の燃焼室はこんな感じです。


燃焼室
燃焼室です。


燃焼室には「バルブ」
(4つの大きな穴)という部品や「スパークプラグ」(真ん中の穴)
が入っています。



つまり、

『排気量 + 燃焼室の容積 =総容積』

という計算がまずは必要となるわけです。


排気量+燃焼室容積=総容積
イラスト3:総容積です。


先ほど出てきたイラスト2枚を足した分ですね。

この計算で算出された総容積分の混合気が、ピストンによって燃焼室に全て押し込まれる
事になるわけです。



圧縮比とは、

「燃焼室に押し込まれる混合気の比率」

ですので、

(排気量 + 燃焼室の容積)÷ 燃焼室の容積

で求められる数値が圧縮比となります。


固い文章だけではイメージが沸かないと思いますので、具体的な数字を挙げて
計算してみましょう。


総排気量:1600cc (ピストン4つ=4気筒エンジン)

燃焼室容積:50cc



というエンジンがあるとします。

ピストンが4つで1600ccという事は、
ピストン1つ当たり400ccという事ですよね。
そして
燃焼室容積は50ccとなっています。


排気量は400cc      燃焼室容積は50cc


これらを先ほどご説明した式に当てはめると、

排気量燃焼室容積)÷燃焼室容積

=(400+50)÷50

=450÷50

=9

となり、このエンジンの圧縮比は『9』という事になります。


実は、走行距離が増えることでエンジンのパワーが下がっていく原因に大きく関わって
いるのがこの「圧縮」です。

ピストンが数え切れないほど上下運動することにより、徐々にシリンダ(壁)が広がる
事や傷が付く事、ピストン自体が小さくなる事などで、
計算上では圧縮比は変わらない
としても実際の圧縮圧力が下がってくるのです。

極端な話し、燃焼室に押し込めたはずの混合気がピストンとシリンダとの隙間から
少量抜けてしまい、本来のパワーを発揮できないのです。

本来はエンジンオイルが隙間に入り込み、密封作用をする事でガス抜けを防いでいる
のですが、走行距離が増えていく事で隙間が広がってくるとエンジンオイルでは防ぎ
きれない状況になってしまいます。
それが燃費悪化の原因の一つという事ですね。

これらを防ぐ方法は、

・定期的なエンジンオイル交換

・定期的なオイルフィルター交換

・暖機前の急発進などをやめる

・急加速・急減速をできるだけしない


などでしょう。

ピストンピストンリング)とシリンダにできるだけ負担を掛けない事が大切です。
とは言っても今のエンジンは本当に丈夫になりました。

逆にそのせいで油断してしまう事も事実ですが(汗)


それでも通常のエンジンオイルではガス抜けを防ぎ切ることはできません。

そこでオイールの凄さが顕著に表れるんです。

走行距離が多い車であれば、オイールの密封作用によって驚くようなパワー感を
感じる事ができると思います。
それも全ては「隙間を埋める密封作用の強さ」のおかげです。



今回お話しした「圧縮比」を活用して、車の簡単なパワーアップ方法があります。

つまりは

「圧縮比を上げる」

だけです。

総容積 ÷ 燃焼室容積 = 圧縮比

ですので、

総容積を大きくする燃焼室容積を小さくすれば圧縮比が上がるのです。


総容積を大きくするという事は、単純に燃焼室はそのままで排気量を上げるのです。
ピストンとシリンダのボア(直径)を少し大きくしてあげるのです。
⇒これを
ボアアップと言います。

もちろんこの方法は部品の交換が必要になります。


燃焼室容積を小さくする方法は、少しエンジンの面を削ってあげるだけで済みます。
やりすぎは高リスクですが、非常に簡単な馬力アップ方法でしょう。


少し話がそれてしまいましたね m(_ _"m)ペコリ


圧縮比はクルマのカタログに掲載されておりますので、今度見る機会があったら
見てみてください。

通常、ガソリンエンジンであれば圧縮比は7〜10でしょう。
ターボ車は過給時の事を考えてさらに低くしてあるはずです。

10を越えるエンジンは排気量に対して結構エンジンが高出力な物です。


クルマのカタログには、説明しないと一般人にはわからない事が多く載っています。
カタログから多くのことを読み取れるようになると、クルマを比較する時などに
非常に役立つんですよね。

これからもカタログで気付いた事があったらテーマとして取り上げて行きますね!




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