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O2センサー(オーツーセンサー)


自動車整備士3級〜2級レベルの電子装置基礎編として、アイティメディア社が運営しているモノイストというサイトに『今さら聞けない電装部品入門』という内容で記事連載をしております。
当サイトよりも更に高いレベルをお望みの方はこちらもご覧ください。

・第一回 自動車唯一の電源、鉛バッテリの仕組み
・第二回 エコカーとともに進化する鉛バッテリー
・第三回 オルタネータが生み出す電気が無ければ車は走れない
・第四回 激化する燃費戦争、発電だけではなくなったオルタネータの役割
・第五回 大解剖!スターターの仕組み 前編
・第六回 アイドルストップシステムの普及がもたらすスターターの革新 後編
・第七回 エンジン点火に必要な電圧は数万V! イグニッションコイルの役割
・第八回 さらばディストリビューター、点火タイミングは電子制御で最適化する時代に
・第九回 すごいぞスパークプラグ、2000℃に加熱してから急冷して高圧を掛けても壊れない
・第十回 ドライブバイワイヤの生みの親は自動変速機!?
・第十一回 自動ブレーキも横滑り防止装置も、ドライブバイワイヤあってのものだね
・第十二回 エアバッグの前に付く「SRS」の意味を理解しよう
・第十三回 エアバッグが開かないのは衝突安全ボディのせい!?
・第十四回 エアバッグ展開時の衝撃力はウサイン・ボルトの全力タックルと同じ




O2センサーという部品を説明する前に皆さんに質問です。


『O2(オーツー)』って何だか覚えていますか?


「バカにしてんのか!?」


いえいえ(汗)

車の話しをするサイトなのに元素記号が出てくるなんて思わない方もいらっしゃるかと思いまして(笑)


はい。そうです。

O2とは【酸素】の事です。


今回は全く関係がないですが、二酸化炭素は『CO2』です。ってあれだけ温暖化を防げ!みたいな
事を毎日ニュースで聞いていたら嫌でも知ってますよね ( ̄∇ ̄;)


では本題に。


O2センサー、つまりは酸素センサーと解釈することができますが、この部品は一体
何をしているのでしょうか?


O2センサーO2センサー


最近の車では「LAFセンサー(ラフセンサー)」という名称で呼ばれている事が多くなってきましたが、
基本的な役割は同じだと考えてくださいね。(LAFセンサーの方が性能は上です)


「酸素のセンサーだろ?」


いや、もちろんそうなのですが、どうして酸素を検知する必要があるのでしょうか?


実はこのO2センサー、非常に燃費と関係があるのです。


意外と知られていなかったりするのですが、結構走行を重ねた車が昔に比べるとかなり
燃費が悪化したという良く聞く症状の主な原因がこのO2センサーだったりします。

つまり、O2センサーを交換すると大幅に燃費が向上するケースが多いのです。


「なぜ?」


それを今からご説明しますね。


そもそもO2センサーはどうして酸素を検知しているのでしょうか?


答えは

「エンジンの燃焼状態を、燃焼後に残った酸素の量で判断している」

となります。


残ったという表現が出ましたね。

実はO2センサーはマフラー(エキゾーストマニホールド直後)に取り付けられているのです。

どういう事かというと、エンジン内でガソリンが爆発して発生した排気ガスは最初に
エキゾーストマニホールドへ出てきます。

エキゾーストマニホールドの次はエキゾーストパイプ(エキパイ)ですね。

エキゾーストマニホールドとエキゾーストパイプの間には触媒と呼ばれている排気ガスを
きれいにする部品があり、触媒を通過して若干きれいにされた排気ガスは
マフラー(消音機・サイレンサー)へと続き大気へ放出されます。

触媒を通過してしまうと排気ガスの成分が大幅に変わってしまいますので、正確な酸素濃度を
検知するためには触媒を通過する前段階でO2センサーを設置する必要があるのです。


酸素濃度で何が分かるかと言うと、

「空気の量に対してガソリン濃度が高いか?低いか?」

という事です。


ガソリンを燃焼させる際、一番効率良くパワーを取り出せるガソリンと空気との割合があります。
それを『理論空燃費』といい、「ガソリン:空気=1:15」と言われています。

この『理論空燃費での燃焼後の酸素残量』を基準、すなわち狙い値として、


・酸素が残っている⇒ガソリンが少ない⇒ガソリン追加

・酸素が少ない⇒ガソリンが多い⇒ガソリン削減



という判断をリアルタイムで行っているのです。


ちょっと難しいですかね…。


理論空燃費という言葉を使うと非常に難しく聞こえますが、難しく考える必要はありません。

ここで知りたいのはガソリンが多すぎるか少なすぎるか(空気が多い少ないとも捉える事ができます)という事です。


ここまではあくまでも理論的にO2センサーの作動を説明しました。
ここからがカーライフサポートネットならではの一番のポイントです。


さてもう一度O2センサーの取り付け位置を思い出してみましょう。


「エキゾーストマニホールド直後」


でしたよね?

つまり、排気ガスをもろに受けているのです。

もちろん排気ガスを受けることが役目なのですが、その役目のおかげでO2センサー
はご想像通り汚れてしまいます。


当然ですよね?


道路にあるガードレールが徐々に黒く汚れていくような感覚です。


O2センサーは、センサー自体に排気ガスが当たることで反応します。
しかし走行を重ねるにつれて徐々に表面が汚れていきます。

つまり、感覚的には排気ガスを感じ取れる感度が少なくなってくるんですね。

少なくなるどころか、間違えて感じ取ってしまうかもしれません。

となると…。


「本当はガソリンが足りていないのに気づかない!」


なんて事が起こってくるのです。

もちろん逆もありです。


「本当はガソリンが多いのに気づかない!」


こうなると燃費悪化は確実です。

O2センサーが故障してしまえば、今の車は何らかのランプが点灯するなどしてドライバーに異常を
知らせてくれる※のですが、汚れた程度では知らせてくれません。というか気づきません。

※排出ガス汚染を防ぐ為にメーター内に警告灯が点灯します。ちなみに法規で定められています。


事実は別として、最近私が思った事があります。


「たまにはエンジンを思い切り回さないとエンジンが不調になる、燃費が悪くなる」

という持論はもしかしてO2センサーが絡んでいるのではないかと。

たまには勢い良く排気ガスを送り、O2センサーに付着した「スス」を吹き飛ばすと
いう事なのかなぁと。

エンジンを思い切り回す事で改善される不具合事象は想像だけでも多々ありますが、
どちらにしてもたまにはレッドゾーン付近までエンジンを回してあげるとエンジンの調子は
かなり良くなります。


「エンジンを大切にしたいから高回転まで回さない」


これは大間違いですのでご注意を。

エンジンは回るように作られていますので、回してあげないと逆に駄目です。
先ほど言ったように燃費の面でも駄目です。

ちなみに数名の方から燃費が悪いといったご相談を受け、エンジンを定期的に高回転まで
回すようにしてみてくださいとアドバイスをしただけで皆さんの燃費が〜2km/L向上している
という事実がありますので驚きですよね。

これ、本当ですよ。


ちなみにO2センサーの交換費用はにんじん君ツインGTと同じくらいだったと思います。
もちろん車種によって大幅に変わるでしょうけど。

センサーの中でもちょっぴり高めでしょうかね。
というのも、『ジルコニア素子』という非常に高そうな?金属を使用している事に加え、
確実に高価な『白金』を使用しているので部品自体が高いのだと思います。

私はまだ試した事がありませんが、友人の整備士達の話だとかなり燃費が上がるらしいです。

にんじん君ツインGTに負けないくらい(笑)

でもやっぱり、車を乗り換えても使えるにんじん君ツインGT君には負けるかな(爆)


という事で、O2センサーの存在を頭の隅っこにでも入れておいてくださいね!

非常に重要なセンサーです!

たまにはエンジンを回して好調なエンジンを保ちましょうね♪


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