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ホームブレーキ装置基礎編



ブレーキフルード(ブレーキオイル)とは?


ブレーキフルードはブレーキに関する物で、代表的な消耗品の一つです。


ブレーキフルードブレーキフルード


ブレーキフルードという名前で気になる部分といえば

『フルード』

の部分ですよね。


別名『ブレーキ液』と言ったり『ブレーキオイル』とも言われています。
見た目は水で少し薄めた蜂蜜のような薄い黄色ですね。


車(だけなのかな)に使われる液体において、滑りやすくするために使われて
いる物を『○○○オイル』と言います。

例えばみなさんご存知の『エンジンオイル』であったり『ミッションオイル』などがありますね。


それらとは違い、圧力を伝える事が一番の仕事である液体があります。

それが『フルード』と呼ばれる物です。


例えば

『ブレーキフルード』

『ATF(オートマチックトランスミッションフルード)』


『パワステフルード』

などです。


「圧力ぅ?なんじゃそりゃ?」


って感じですよね(笑)

ではまたまた自転車を思い浮かべてください。


自転車のブレーキは、足で踏む車と違ってレバーを手で握りますよね。

レバーを握ると『ワイヤー(金属のひも)』がレバーと連動しているので、ワイヤーは引っ張られることになります。


自転車のブレーキレバーレバーを握るとワイヤーが引っ張られる。


すると、ワイヤーの先端に付いている自転車のブレーキパッドがタイヤのホイールのリム部を挟み込みます。
※前輪のブレーキを例に取っています。



ブレーキパッド(自転車)ブレーキパッドがホイールのリム部を挟む。


では車のブレーキはどうなのでしょうか?


「ブレーキを踏んだらワイヤーを引っ張ってブレーキパッドを…。」


ちょっと怖いですよね。

車の重さは少なくとも1000キロ前後あるわけですからワイヤーだけでは少し心細いです。

ワイヤーが切れたら大惨事ですしね w( ̄▽ ̄;)w


そこで『ブレーキフルード』の登場です☆


ブレーキフルードはブレーキペダルを踏み込んだ力をブレーキパッドに伝えているのです。


どうやって伝えるか?


下の図を参考にして単純に思い浮かべてください。


ブレーキシステム図ブレーキフルードの役割


両方口があいている円柱(パイプ)があるとします。

円柱の右側の先端にはピストン(栓)が付いています。
この時のピストンはゴムの塊と考えていただくとわかりやすいと思います。
実際はゴムでは無く金属製ですが、分かりやすいようにゴムと考えてください。
ちなみに正式な部品名はキャリパピストンと言います。

このピストンが前後に自由に動けると過程して、そのピストンの外側(イラスト右側)にブレーキパッド
ぴったり密着していると考えましょう。


円柱のもう一つの先端(左側)にはブレーキペダルがぴったり密着しています。

そして円柱にはブレーキフルードが満タンです。


ブレーキ作動状態ブレーキフルードの作動状態


この状態でブレーキを踏むと、ブレーキフルードが加圧されて逃げ道を探します。

この時、圧力の逃げ道はピストンを右に押すことですよね。

ピストンは自由に動けるのですから、ピストンはパッドを押す方向(右側)へと動いていきます。

復習になりますが、パッドのすぐ隣にはブレーキディスクがありますよね。

つまりブレーキパッドは強制的にブレーキディスクに衝突し、さらにブレーキペダルを踏まれている
(後ろから押されている)間、ずっとブレーキディスクに押し付けられます。
つまりブレーキが効いている状態です。


一連の流れをまとめるとこのようになります。

  1. ブレーキを踏む
  2. 円柱内のブレーキフルードに圧力がかかる
  3. キャリパピストンが押される
  4. ブレーキパッドが押される
  5. ブレーキディスクを押す
  6. ブレーキが効く!


という事です。


「ピストンを押すだけだったら水でもいいんじゃない?」


その通りです。

でもブレーキに使用しているからこそ起こる特別な問題があるのです。


それは…。


『ブレーキとは、車が進む力を摩擦熱に変える機構』


なのです。

その熱は、まずブレーキディスクとブレーキパッドに発生します。
次にその熱はブレーキフルードにも伝わるのです。


もしブレーキフルードが水だったらどうなるのでしょうか。


水を温めると、60度くらい(?)から空気の泡が出てきますよね。
さらに80度とかになると泡が大量に出てきます。

ブレーキパッドとディスク間に発生する熱は、瞬間的に200度を上回ります。
つまり簡単に水が沸騰してしまうのです。


沸騰するとご存知のように泡だらけになってしまいますよね。


ブレーキを踏み込んだ力は液体を通じてブレーキパッドへと伝わると先程お話しましたが、
液体の中にがあると大変怖いのです。


何が怖いか?


それは、力が伝わりにくくなるのです。

空気のクッションが液体の内部に散乱していることで、ペダルを踏んだ力が先へ進むに連れて
吸収され、圧力が下がっていくのです。
この泡が多ければ多いほど圧力はどんどん下がっていきますよね。


踏んでもブレーキがほとんど効かない車には誰も恐くて乗れません。

つまり、『ブレーキフルードは沸騰しにくい事』が重要になります。


余談になりますが、ブレーキフルードが沸騰してしまうことを

『ベーパロック現象』

と言います。

最近の車は性能が上がっていますので、滅多にベーパロックに至るような事はありません。
とはいっても、坂道を延々とブレーキを踏みながら下っていると、ベーパロックに至りますのでご注意を。

ベーパロックになった後はブレーキが効きにくくなって事故に直結するケースが多いですが、後で
ブレーキフルードを抜きとった際に細かい泡が残っている事が多く、

「あ、ベーパロックしてますね…」

という動かぬ証拠が出る事もありますので、坂道を下る時はくれぐれもご注意を。

さらに言えば、ベーパロックは定期的なブレーキフルードの交換を行なっていない事で沸点が下がった
整備不良車がなりやすいという点も忘れないでください。
普通に走行している分には、あまり交換していない状態(コーヒー色)でも致命的な問題にはなりません。
しかし連続でブレーキを使用できる限界点が大幅に下がっていると認識しておきましょうね。


ブレーキフルードには多くの種類がありますが、大きく分ける為の違いが『沸点』です。


この沸点(沸騰する温度)の違いは

 DOT  (単純にドットと呼んでいます)

という表現を使います。

一般的には『DOT3』『DOT4』があり、数字が上がるほど沸点が高くなります。
もちろん値段も上がります(笑)


今の普通車の整備には「DOT4」が使用されています。(極端な使い方をしなければ差がありませんので、DOT3でも全然問題はありません)
一部レース専用として『DOT5』が使用されています。しかし


「DOT5が一番いいならそれがいい!」


とはいきません(笑)


レース車というのは短期間でメンテナンスを行います。
DOT5は非常に性能に優れている反面、すぐに劣化してしまいます。
つまりすぐに沸点が下がるのです。

ある意味「使い捨て」です。町乗り車には不向きですよね(笑)

1ヶ月に1度交換する気合がある人だけチャレンジしましょう!


ブレーキフルードはなぜ交換する必要があるのか?
そのヒントは先ほどお話したDOT5で出てきました。


そうです。


「自然に沸点が下がる」


のです。

それはブレーキフルードの中に含まれているある成分が影響しています。
その成分の影響で想像を絶するスピードで水分を吸収するのです。


「水が天敵なのに水を吸収しやすい成分が入っている???」



そうなんです。訳が分からなくなりますが事実なのです。

そんな成分を入れなければいけない理由があるのですが、ちょっとマニアック
すぎなのでここでは控えておきます。(性質・コストを考えると代用品がないのでしょう)


つまり使用しているうちに水分を吸収し、どんどん沸点が下がってくるので
定期的に交換をしなければブレーキの効きが悪くなってくるのです。


沸点が下がったかどうかはなかなか見た目では判断できない物ですが、見た目で
劣化具合は判断できます。

単純に、元は透明な薄黄色のブレーキフルードが

・濁っている

・黒ずんでいる


と目視で確認できれば劣化しています。

5年以上交換していないブレーキフルードは、徐々にコーヒーのような色になってきます。
こうなったら沸点はかなり下がっています。

せっかくですので、このページ最上部にある写真のブレーキフルードの色(薄茶色)と
こちらの未使用状態のブレーキフルードの色を比べて見てください。


未使用のブレーキフルード未使用のブレーキフルード


見た目だけでも十分に劣化しているかどうかが判断できますよね?

余談になりますが、ブレーキフルードは「ボディの塗装面を著しく侵す」性質があります。
つまり何らかの作業時にブレーキフルードを扱い、少し手元が狂って車のボディに付着して
しまった時は要注意です!

その時はまず水を大量にかけましょう。
ブレーキフルードが持つ吸湿性を逆に利用し、水をかけて一気に性能を落としてしまうのです。
その後、ボディを傷つけないように柔らかいウエス(タオルなど)でふき取ってあげればOKです。


さてブレーキ装置について色々と学んできましたが、よ〜く考えてみてください。

車の重さは通常1000キロ(1トン)を超えています。
さらにこの重量の物体が時速60キロとかで動いています。

考えてみたらものすごい力ですね。


これをいとも簡単に止めてしまうのですからブレーキってすごいですよね!
普通車であれば、裸足になって足の親指だけでブレーキを踏んでも止まります。


でも皆様、普通に考えてみてください。。。


親指1本で1000キロオーバーの物体を止めるなんてできますか???


走っている車を親指で止めようとしたら、きっと親指は陥没(カンボツ)してしまいますよ(笑)


つまりこういうことなのです。


『運転手がブレーキを踏む力を補助している装置がある』


そうです!これがまさしく『マスタパワー』の役割なのです!!!




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